バトル・ニュース

第16回『DDT両国国技館大会からみる他業種とのコラボレーション』

お帰りなさいませお嬢様旦那様。
プロレス格闘技マスコミ7年目かつ現場最年少の執事記者つばさです。
 
今回は17日(土)に行なわれた『DDTプロレス両国国技館大会』について書きたいと思います。
 
 まずこの大会についてですが
 
・アイドルとのコラボレーション(しず風&絆〜KIZUNA〜LinQアップアップガールズ(仮)新田恵利BiS桃知みなみ
・イケメンムード歌謡『純烈』ライブ
・筋肉少女帯生ライブ
・「オールナイトニッポンGOLD」パーソナリティ権争奪バトルロイヤル
・ウルトラセブンコラボマッチ(円谷プロ公認)
・ファッションブランド『DRESSCAMP PRESENT’S』マッチ(ファッションショーあり&赤井沙希&後藤あゆみ&LiLiCo登場)
・渡辺家(渡辺哲&アントーニオ本多)vs.坂口家(坂口憲二&坂口征夫)
・総合司会:山里亮太
・ミッフィーとのコラボシャツ発売
レスリー・キーとのコラボ写真集発売
若本規夫がナレーション
 
 という、他業種他ジャンルとのコラボレーションが各試合で起きているというとても(良い意味で)おもちゃ箱のような大会でした。

 ただ、終わった今だから「良い意味で」と言えるんですが、正直蓋を開けてみるまで不安で不安でしょうがありませんでした。
 
 というのも、他の仕事をしている中イベントや芸能でプロレスを企画の中に盛り込んでプレゼンすることがあります。その際、たいていは知名度の問題やリングの設置問題、顧客満足度の問題で弾かれるのですが、一時期『戦国武将祭』の失敗のせいでプロレスの名前を出すとそこをやり玉に上げられることが多々ありました。
 
 そして去年、一度東京女子の会見の後ドロップキックで高木三四郎大社長と両国2DAYSについて軽く話す機会があり「戦国武将祭みたいな事をやりたいんだ」と言われた時には、いったいあのイベントで何があったのかをお話させていただいた事があったのです。(「戦国武将祭りみたいなこと」については高木さんの「<俺様の団体経営学EX>29回 プロレスと対世間A」でも書かれています)
 
 アイドル業界はチャレンジしてこそなんぼなのでまあ特に不安なかったのですが、秋葉原系で仕事をする上でファッションと声優が入っていて「もし戦国武将祭と同じ結果になったら当分プロレスという文字の入った企画は出せないな・・・」と怯えていたのですが、結果は見ての通り満員の大成功!
 
 DDTプロレスの演出力に脱帽です!
 
 ここで、以前から名前がちょこちょこ出る『戦国武将祭』って何よ?ってことなのですが、2010年3月6日&7日の2DAYS、さいたまスーパーアリーナにて行なわれた戦国無双をメインとしたプロレスと他ジャンルのコラボイベントです。
 
・コーエーの戦国無双が主体&フジテレビが協力
・豪華声優による歴史ドラマ再現(草尾毅/中田譲治/高塚正也/小杉十郎太/緑川光/神谷浩史/前田愛/石川英郎/竹本英史/小西克幸/杉田智和/鈴木真仁)
・豪華声優による生ライブ
・アーティストの生ライブ(GACKT/Do As Infinity/SHANADOO/alan/谷村奈南/Phoenix 2:00AM feat.Ami Suzuki)
・NHK大河ドラマ『天地人』の甲冑展示
・各地方自治体の戦国お土産販売
・戦国時代の有名人物に扮したプロレスラーが歴史再現の試合
・総合司会:杏(渡辺謙の娘)/フットボールアワー)
 
という、豪華出演陣にて作られたイベントです。

 正直、一部キャストや一部イベントを抜き出しただけでさいたまスーパーアリーナを埋めることはできるでしょう。
 さいたまスーパーアリーナとはいえ、約半分(コミュニティーアリーナ)を物販や飲食スペース、ゲームの試遊スペースなどで割いているため、収容人数は正直武道館や両国と変わらない状態か少しこっちのほうが広いかな?程度だったと思います。
 その状況でどうだったかというと、伝説の興行と言われるプロレス・エキスポのような状況が起きたわけですね・・・(どういう状況だったかはググってください)
 
 失敗要因としては「TVが作ろうとした『歴女』と実際の戦国ブームを牽引していた層に乖離があった」とか「同日裏で開催されてるイベントが・・・」とか「組み合わせの必然性が」とか色々あったんですが、その中に「プロレスが軸だった」という事もあったんです。
 
 「プロレス判んないし」・「プロレスってなんか怖いし」・「プロレスって何?なんだかよくわからないイベントだから行かない」という声ももっともでしたし、何より実際蓋を開けてみて『なんのファンにとっても、それ以外は邪魔でしか無い」というイベントでした・・・・
 
・戦国無双ファンにとってはプロレスもアーティストライブもいらない
・アーティストのファンにとっては見たら帰ることこそ必然
・プロレスファンにとってはその他は退屈でしかない
・一番長いプロレスパートは、プロレスのルールすらわからないその他大勢の客にとって苦痛でしか無い
・そもそもそのプロレスパートも歴史再現により結果はほぼわかっているし、コスチュームが邪魔な感じなのでいつもの動きを選手ができない
・そもそも激しい試合も楽しい試合もイベントコンセプトから外れる

終わってみて各業界関係者の意見はひとつ
『プロレスとのコラボは難しい』
でした。

しかし時を経て行なわれた上記DDT両国大会は大成功!

試合後高木三四郎大社長が総括で
『ほんとに理想の形でしたね。当初僕が考えてた、プロレスを世間に広めていくための大会ができないかな〜と思っていて、自分はまずどうやったら絡んでいただくタレントさんやアーティストさんとアイドルの方の魅力を最大限に引き出すことができるかな?プロレスファンの人も楽しめることができるかなというところに、そこに、そこにほんとに全部集中させましたね全て!で、最高の形ができました!パーフェクト、本当に。誰もが皆、自分たちの魅力を出せたと思うし、どのアーティストもどのタレントさんも魅力を出せたと思うし、プロレスも全く霞んでなかった。それがもう本当に、僕にとって最高の形でしたね。芸能人の方、タレントさんや色々なアーティストの方、ブランドともコラボさせていただいて、何一つプロレスという魅力も霞んでいないし、そして絡んでいただいた皆さんが皆が皆楽しめましたと、楽しかったと言っていただけた』
と語っています。

『満員だった』以上の価値があるんです。本当に。
今回の興行の結果、各業界関係者の意見は
『プロレスとのコラボは魅力的だ』
に変わるんです。

 今攻めなければいけない。今この波にのらなければいけない。プロレス業界は今そういう大事な節目に立たされました。

 一団体が興行を成功させたんじゃない。プロレス界がイベントを成功させたというこの状況に気づいて欲しいと思います。

 そして全てのプロレスに興味あるイベンターは、このイベントのDVDを見て欲しい。正しいプロレスとのコラボ方法が一例として出来上がったのだから。

 僕の理想とする形はまた別の形であるけれども、本当にいい勉強になり、いい参考になり、素晴らしく楽しませていただいた興行でした。

<余談>
 今回DRESSCAMPとのコラボレーション試合で、ファッションショーとプロレスのコラボがありました。


 うん、カッコイイですね!

 かつて2007年にスカパーが「ひなバトル」という女性客限定のイベントをしたことがあって、そこで新日本、ノア、ZERO1・MAX、ドラゲーのコラボにより各団体からイケメンレスラー、そしてチョイ不良(ワル)ミドルのレスラーが出場し、美容家・IKKOさんの前でイケメンvsチョイ不良の3番勝負が行われた事があります。

詳細はこちら→http://www.angle-j.com/archives/2007/03/15_0050.php

 そこで『プライベート・ファッションショー』が行われ、棚橋や潮崎、ドン・フジイさんらがランウェイを歩いて会場が黄色い声援で埋まったことがあるんです。
 
 その後DDTではBOYSが発足し・・・というのはおいておいて、ファッションショーと鍛えられたレスラーの身体というのはすごく相性がいいという実例が出たわけで、その後どこかが絶対やるだろうと思ったらあれから6年ほど経過という・・・・
 女性限定ということもあり、ましてマスコミも少なかったこともあり、ほぼ業界関係者が無視だったというのもあります。特にあの頃のプロレスマスコミはすごく固かったので、とりあげた所も少なかった。

 レスリー・キーとのコラボ写真集も「レスラーがヌード(笑)」的な雰囲気がありますが、これで中邑真輔しか開拓していなかった芸術方面へのアプローチができるようになったわけです。

 全日本の白石社長は「潮崎豪を東京ガールズコレクションに出す」と言っていますが、今のTGCなら他ジャンルに対する壁も昔より低いと思いますし、それによってまた「ファッションとプロレス」という所に注目が集まります。

 アイドルに関して言えば、かつて某ぱ●ゅぱ●ゅの事務所の社長と会食した際に『未成熟こそがキーワードだ』という話で盛り上がったことがあります。
 『戦国武将祭』は完成したアーティストが出演しており、その人達が一曲歌うために普段のライブと同等の値段をファンが払うか?と言われると・・・となりますが、今回DDTに出演したこれからのアイドル達であれば、両国という大舞台に立つ姿を見にくるファンもいるということです。そこはほんと数々のイベントでアイドルコラボの失敗を見てきているので、イベント業彼の人は見習わねばならないところです。
 もちろんだからといって昨今多い『地下アイドル連れてくればいいんでしょ?ブッキングしてよ』的なものは本当に困るわけですが・・・

 2007年に夢見たコラボがこうやって実現していく様は本当に嬉しく、またあれから別方面でイベントなどをするようになった自分がこういうイベントを生で見れる環境に居るということが本当に幸せだなと感じる今この時です。

 ・・・資料用として購入したんだからね(*ノノ)