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第10回『情報発信ツールでプロレス界の外へ〜中編〜』

お帰りなさいませお嬢様旦那様。
プロレス格闘技マスコミ7年目かつ現場最年少の執事記者つばさです。

 今回は、前回のコラムに続き『SNSツールなどの落とし穴』について掘り下げたいと思います。

まずは前回にも書いた種類分けです。

『1』・Facebook/Mixi/GREE/各ブログ
『2』・Twitter
『3』・ニコニコ生放送/Ustream/Stickam/ツイキャス
『4』・メルマガ/Line
『5』・ニコニコ動画/Youtube

 そして業界の外への情報発信について一番大事なキーワードとして『フィールド』と『何(誰)がコンテンツなのか』という2つを念頭に置きます。

 前提を書いた所で前回の続きです。

 前回は『2』のTwitterを中心に置いた説明でしたが、今回は『1』・『3』・『5』についての連携についてが中心となります。

 まず『1』ですが、分類的には各HPもここに含まれます。どのような時にユーザーがアクセスするかを考えると

『自分が見たい時に、目当ての情報を求めてくる』

というのが通常です。それも基本的にはまとまった情報を求めてくることが多いと思われます。

 現在その人の人となりや思いを見る事はTwitterが主体となっていると思われていますが、それをまとめたものとして『1』を作ることにより、発信者のタイミングで流れていってしまった情報を、受信者が求めるタイミングで受信させることができます。

 そして常に一番発信したい事を記事の冒頭か末尾に入れ込むことで、複数回の宣伝効果が見込めます。

 「もうブログの時代じゃない」と言われていますが、それは発信側の手間を省略しただけであり受信する相手と時間を発信側が絞っているということです。
 さらにTwitterはAPI制限の導入によりTwitterにアクセスできる回数が制限されました。つまり発信側の発言を全て遡って見ることができないという事態が現在起きています。

 前回Twitterを『TVCM』として例に出しましたが、ブログやHPは『録画されたデータ』です。そのデータを公開しておくことで、受信側の時間が許す時に伝えることが出来るのです。

 極希に注目度が一気に高くなりサーバーがダウンしてしまい、公式HPに接続できない状況がありますが、なぜか発信側が「サーバーがダウンしてる!すごい!」と喜ぶことがありますし、ファンも喜んでいる姿をよく見ますが、その場にアクセスしている何千人何万人の興味を失わさせる事態が起きているという事を理解しておかなくてはなりません。
 これに関しては、もし今後注目される可能性があるプロレス団体はサーバー費用をケチらずその何千人何万人を逃さずにアクセスを出来る状態にして欲しいと願います。

 HPやブログと違い、流れていく情報でありながら視覚性が高いのが『3』となります。情報発信という点で言うと、正直拡散させるものではなく、滞留させるもの。つまり、受信者を繋ぎ止める効果があるものが『3』となります。

 「全世界に向けて生放送をやっているのになぜ情報が広がっていかない!?」と考える方がいますが、そこは完全に自分のコンテンツ力です。
 『偶然その時そのタイミングでやっていたものにアクセスしたら興味を持った』という結果を求めるならば、『偶然その時そのタイミングで多くの人に見られる場所で放送する』事をしなければならないのです。つまりランキング上位に入るか、ニコニコであれば番組名で特色をもたせるか、エロで釣るかですね。
 あくまで生放送はファンを繋ぎ止めるツールであると割り切る事がベストですが、それでもなお拡散させたいのであれば、ファン同士の交流、つまり1人ではなく他の方と共演するか他のジャンルの中で放送する事が望ましいです。

 そして『5』ですが、Youtubeとニコニコ動画は同じ動画投稿サービスでありながら決定的に情報発信として違う点があります。
 Youtubeは話題性のあるコンテンツ、自信のあるコンテンツを投稿し、それを全世界にみてもらうという方向なので、これに関しては自身のコンテンツ力が問われることになるのですが、ニコニコ動画に関しては上記プラス『ニコニコ文化』への対応力(適応力)が問われます。

 誤解のないように先に言っておくと、『プロレス』についてのニコニコ動画考察であって全般をさしたものではない点をご了承いただき読み進めていただけると幸いです。

 代表的なものとして『歌ってみた』・『踊ってみた』・『演奏してみた』など『○○してみた』ということが注目されるキーワードとなります。

 そのいい例として、アントーニオ本多の『ハルク・ホーガン体操第一』があります。この動画はニコニコ動画にて6万再生されているのですが、なぜこんなにも他のプロレス動画と違い伸びたのか?

 その一つの答えとして『ハルク・ホーガン体操第一』は『ラジオ体操の替え歌』であり『ラジオ体操をアレンジして踊ってみた』であるからです。
 つまりニコニコ動画の文化である『踊ってみた』にあわせた文化となったので、ニコニコ動画のユーザーがクリックして見る結果になったと考えられます。
 さらにこの動画は本来『踊ってみた』が入るランキングではないスポーツのランキングに分類されたため、低い再生数の時でもランキング入りすることができたのが注目を浴びる要因になりました。

 ここで一つの基準として、愛川ゆず季の入場曲である『爆乳戦隊パイレンジャー』を踊っており、ゆずポン祭にもゲストで登場したドアラ部は同曲で21万再生。ケニー・オメガの入場曲である『エアーマンが倒せない』は450万再生。10万人が来場したニコニコ超会議2の『踊ってみた』ブースで20分間ダンスを披露した愛川こずえさんは380万再生。同会場でダンスレッスンを45分間行った1年25組は6万5千再生。

 『1年25組とハルク・ホーガン体操の再生数は大して変わらないじゃないか!』とお気づきの方もいると思います。

 この違いは、ニコニコ動画の文化というのは一つ注目されればそれを派生させて広めていく文化であるが、ハルク・ホーガン体操第一が注目されたアントーニオ本多はその後そのジャンルで活動を行わなかった点/また真似しやすい物ではなかった点/曲自体に求心力がなかった点があげられます。

 ならばニコニコ動画で情報を発信していくのはどうすればいいのか?最低限しなければならないのはニコニコ動画の文化を理解し、それにあわせた動画作りをしなければならないということです。
 これをしないとどうなるのかというと『1』と同じようにまとまった情報である動画を見たい人しかアクセスしない結果になり、プロレスファンの外には基本的に波及しない結果になります。

 『じゃあ具体的に執事記者さんは何をしたらいいと思っているんですか?』という質問は来ると思うので先に答えておくと、
 個人的な考えの一つとしては、美月凛音がデビューした団体であるRINGがやっていたミュージックプロレスをニコニコでヒットした曲に合わせて作り続けていくことだと思っています。雰囲気としては『ほもいろクローバーZvsTKG48』が近いのですが、あれをもっとニコニコよりにしてテンポとタイミングも外さず作りこむ感じです。
 プロレスラーにしかできない○○してみたを確立することによって、「プロレス」を「プロレスを知らない層」に「プロレスじゃない物としてプロレスを見せることが出来る」のです!

 長々と語りましたが、次回は残りの一つ、LINEとメルマガについて語り、まとめを行いたいと思っていますのでよろしくお願いします。

<今回のまとめ>
・一つのツールに頼るということは、そのツール以外の受信者を切り捨てている事になる
・発信したい情報がいつでも受信者が見られる場所を常に作っておくことが必要
・サーバーダウンは新規ファン獲得において最悪の事態
・Youtubeとニコニコ動画は別物
・ニコニコ動画という土俵で戦うならばニコニコ動画を知ろう
・プロレスをプロレスとして広めるのではなくコンテンツとして広めよう