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第6回『プロレスを知らない世代へ伝えるときの問題点』

お帰りなさいませお嬢様旦那様。
 プロレス格闘技マスコミ7年目かつ現場最年少の執事記者つばさです。

 今回は、『プロレスを知らない世代』という題で、常日頃から感じている問題点について少し語ってみたいと思います。

 3月30日(土)19時からBS朝日で1.4東京ドーム大会が放送され、プロレスがBSとはいえゴールデンタイムに復活しました。
 1988年4月にワールドプロレスリングがゴールデンタイムを外れ、その歳に生まれた子供が今24歳。順当に行けば社会人2年目となります。

 シンプルに考えると『24歳以下の男女にテレビというメディアを通してプロレスという試合を認識させることが一度もなく、基本的に脳内にプロレスという戦いのジャンルが存在していない』ということです!(もちろん例外は色々ありますが)

 具体的に例を挙げると
・『ワン!ツー!スリー!』と言ってもなんのことだか理解できない
・お笑い芸人のネタのことだと思っている
・ボクシングのようにレスリング選手がプロライセンスを取るとプロレスだと思っている
というような感じです。

 若い世代が初めてプロレスを見た時によく聞く言葉が「よくわからない」だと感じています。

 案外ルチャ要素やパワーファイトのぶつかり合いは「おおっ!」と思う方は多いみたいなのですが、肝心のフォールの時点で「???」となる。

 最近では大会開始前にルールアナウンスをする団体も増えて来ましたが、その説明がなければプロレスファンが盛り上がるフォールの場面が一番盛り下がる場面となってしまう・・・
 この問題点に関しては、どんなにTVCMを打とうとどんなイベントとコラボしようと『会場に足を運んでもらっても』解決しません。

 バスケットのトラベリング・サッカーのオフサイドのように、何気なく見ているだけでは伝わらないのです。


 少し視点を変えて『あの技が凄いからルールなんてわからなくても伝わるだろう!』という方向で考えると、単純に「何と比べて?」となります。

 これは「普通の人より凄いことをやっているだろう!」という意味で言っているのであればその通りなのですが、ある一定年齢を超えると「この選手は馬場さんのように凄い!」・「猪木さんのように凄い!」という風に「●●選手のように凄いから凄いんだ!」という説明の仕方を行う方が多いのです。

 当たり前ですがテレビで試合が放送されていたのは過去の話なので、人間は初めて見たものが基準になります。

 初めて見たプロレスがパワーファイトの人は「レスラーって皆これぐらいパワーがある迫力あるものなんだ」と思うでしょうし、ルチャの人は「こんなにハイスピードで華麗なんだ」と思うでしょうし、デスマッチの人は「こんなに壮絶なんだ」と思うでしょう。
 そして他団体を見てまた混乱します。自分の知っているものと違うものがそこで行われているため・・・

 『ならどうすればいいんだ!?』というものの一つの答えはパッケージプロレス、つまり一つの興行の中に全ての要素を盛り込もうということではあるのですが、この多趣味時代カバーできる幅と団体としてのカラーがあるので限界はあります。

 かつて2006年に「前新日本プロレス社長にして、元ハッスルGMにして、AWA日本支部長にして、経営コンサルタントの草間政一氏」を先生として講義をしていただく『草間経営塾』というものが行われ、そこにはDDTの高木三四郎代表、松井レフェリー、大日本プロレスの登坂栄児氏、K-DOJOのTAKAみちのく代表、296氏、当時NEOの代表であった甲田哲也氏(現在は東京女子プロレス代表)、当時息吹の代表であった吉田万里子氏、当時DDTテック代表であったマッスル坂井氏、当時エルドラドの代表であった川畑憲昭氏、当時我闘姑娘代表であったさくらえみ氏(現在は我闘雲舞代表)、ジャッジサポートの金子達代表らそうそうたるメンバーが出席していました。

 色々と勉強になる会ではあったのですが、業界に入ったばかりの僕が見て感じ、経営塾を聞いていて思っていた『プロレスを判らない人への施策がないな』という点については、明確な結論が出なかった記憶がありこれがずっと今でもひっかかっていて・・・

 ただあれから7年近く経過し、当時僕の求めていた答えはDDTが様々なブランドという形で、新日本がメディアミックスという形で出してくれてはいます。

 これから先、どんどん下の世代は増えていき、今以上に知らない世代が増えてくるでしょう。
 いつか大真面目にこの点について、また草間経営塾のように団体間を超えて話し合う場が必要になってきているのではないかとひしひしと感じています。

 『プロレスは受けの美学』とは誰かが言っていましたが、相手のジャンルを受けきってプロレスをする、相手の思考を受けきってプロレスをする・・・そういうような『プロレスというルールを判らせてくれるプロレス』が、今此処から先では求められているんだと常日頃感じている次第です。