バトル・ニュース

2011/11/17


THE OUTSIDERに別れを告げた佐野哲也

 THE OUTSIDERに参戦していた有名ブロガーであり、アマチュア格闘家の佐野哲也が、11・13の横浜文化体育館での試合を最後にTHE OUTSIDERに別れを告げた。

 Twitter上などでは本人にもの凄い数のリプライがあったりして、かなり反響があるようだが、個人的にはあまり驚きはない。というのも、11・13の試合が彼にとって勝つにしろ、負けるにしろ、THE OUTSIDERにひと区切り試合になることは分かっていた。
 試合結果は残念なものだったし、本人も納得いっていない部分はあると思うが、筆者は会場で見ていて「あぁ、佐野哲也がここでやれることはすべてやり終えたんだなぁ」と感じた。

 不良やならず者、文字通りアウトサイダーたちの“腕試し”であり“公開喧嘩”の場であったTHE OUTSIDERの中で、「全然不良じゃない」「有名ブロガー」「プロレスファン」という佐野哲也が登場したとき、かなり異質な存在だった。
 こう言っては何だが、THE OUTSIDERに出ている選手の中で、「佐野哲也みたいなタイプにだけは絶対に負けたくねぇ!」と思っていた人も少なくなかったんじゃないかと思う。

 そんな異質な存在である彼が、強面の選手たちを次々に撃破していくという構図が実に面白かったわけだが、THE OUTSIDERを取材に来ているマスコミは主に格闘技班の記者さんばかりで、プロレスも格闘技も書いている記者なんて筆者くらいのもの。だから彼が試合前に見せたシャドーが“風香シャドー”であることに気付いた上、そのことを記事にまで入れるのはバトル・ニュースくらいのものだった。
 そんなこんなで、気がつきゃ筆者も佐野哲也とは友人関係になっていたわけだが、人の縁とは不思議なもので、彼がTHE OUTSIDERに出場していなかったら出会うことすらなかったかもしれない。

 だが、佐野哲也がTHE OUTSIDERのリングに上がるようになって早いもので約3年。THE OUTSIDERの景色もだいぶ変わってきた。
 いまや不良じゃない選手もずいぶん増えたし、プロレスファンも結構いるのが分かる。風香シャドーどころか、アンダーテイカーのコスプレをして、白目剥いてみせる選手までいるのだから、佐野哲也がTHE OUTSIDER内で放っていた異質な光は、知らず知らずのうちに消されていったのかもしれない。もはやすっかり佐野哲也は“THE OUTSIDERの人”として馴染んでいた。

 しかもアマチュアのガチンコ格闘技の世界で、1勝1敗の宿命のライバルとの決着戦をビッグマッチのメインで、しかもタイトルマッチで行うなんていうシチュエーションを実現させた時点で、もはや佐野哲也がTHE OUTSIDERでやれることはすべてやり終えたと言っていいだろう。
 最後にベルトを獲って有終の美を飾ってほしい気持ちもあったが、桜庭和志だってベルトにはトンと縁がないが記憶には残る選手。佐野哲也もどちらかといえば、そういうタイプのような気がする。

 佐野哲也よ、お疲れさん。
 とはいえ、別に格闘技をやめるわけではないらしいし、今後もアマチュアの大会に出ることもあるだろう。個人的にも彼がTHE OUTSIDERに出なくなかったらサヨウナラなんてことはなく、試合会場で会ったりすると思うので、いままでとさほど変わらなかったりする。