バトル・ニュース

2011/09/21


あり得ないなんてことはあり得ない

 19日に新宿FACEで行われたユニオンプロレスの昼夜興行。高木三四郎が移籍して以降、ユニオンはDDTとはうまく差別化されつつも、まるでおもちゃ箱のようにいろいろな要素がごちゃ混ぜに詰め込まれた団体へとなってきた気がする。

 なにせバックステージが凄かった。白塗りの女性はいるわ、浴衣の女性はいるわ、年齢がファンタジーの女性がいるわ、かっこいいカラダの表紙になった女性はいるわ、女装をした人が便所のドア開けっ放しで用を足しているわ、陽気なロシア人がいるわ、天下一ジュニア優勝者はいるわ、菊地さんはいるわ、矢郷さんはいるわ……
 挙げていったらキリがないのだが、このカオス状態のバックステージに、我々マスコミ(プレスルールがなかったので、各社トイレ前の廊下で作業!)や、いまをときめくAKB48の中田ちさとさんまでいたのだ。

 普通ならもう収集がつかないというか、面白さが飛び散り過ぎちゃってぼやけちゃう感じがするが、いまのユニオンは昼夜興行を通してみても、ぼやけた感じはほとんどない。どれもこれも会場を沸かせている。お客さんも伏線を知っている人はもちろん、ゲスト解説を務めていた中田さんのようなプロレス自体をあまり見たことがないような人でも、笑えたり、驚いたり、興奮したり出来る場面が随所にあったはずだ。

 中でも秀逸だったのが大家健vs.紫雷美央のSGPグローバル選手権〜チェーンデスマッチ。チェーンデスマッチは普通対戦相手同士の手首をチェーンでつなぐのだが、「駄犬」呼ばわりされている大家が首輪にチェーンがつながれ、さらに余裕の美央は浴衣姿で試合に挑む。浴衣の女性と、首輪をつけた男が闘うシチュエーションはワケが分からないが、もう見た目が面白い。
 さらに美央はただの浴衣姿ではなく、ミニスカ浴衣。また美央が凄かったのが、丈が短い浴衣を着ているのに、試合中終始浴衣の裾がめくれないように、気にしていたところだ。チェーンを使って大家を蹂躙しているにも関わらず、女王様的な強さだけでなく、妙に色っぽさが出ていてすこぶる盛り上がった。

 しかも美央は浴衣の下に試合用コスチュームではなく、白い水着を着ていた。観客はそれを知らなかったので、浴衣の裾からチラチラと“白い何か”が見えて、美央が必死にそれが見えないようにしているのだから盛り上がらないわけがない。
 一方の大家も試合中、首輪につながらていたチェーンが切れて外れてしまった場面があったのだが、慌てることなく憮然とした表情で場外に出ていって「俺のほうが不利なんだもん!」と文句を付けた。そこですかさず美央が「駄犬、ハウス! 早く!」と呼び寄せると、素直にリングに戻って自ら首輪にチェーンをつなぎ直した。

 この場面なんかは、アクシデントってことでバタバタしちゃったり、自らチェーンをつなご直す行為がおかしく見えそうなものだが、大家の機転やキャラクターもあって、まったく気にならなかった。プロレスラーの実力は強い、弱いだけで測るものではない。いつ何時何が起きても対応出来る臨機応変さも非常に大事だ。
 そもそも女子レスラーとのチェーンデスマッチを、ここまで面白く魅せられる男子レスラーが何人いるだろうか。

 プロレスラー・大家健の成長が目の当たりに出来たが、21日深夜に配信された高木三四郎のUSTREAMの中で、大家はDDT48総選挙で1位になりたい理由を、いまや後輩の飯伏をはじめ、石井慧介までKO−D無差別級王座に挑戦している中、大家はもちろん、大家と同期のマッスル坂井(引退)、バンビ(現K−DOJO)は一度も挑戦すらしたことがないので、1位になって王座に挑戦し俺たちの代は凄いんだぞってことを証明したいと熱弁した。
 「さすがにそりゃ無理だろ」「それはあり得ないって」と思うファンもいるとは思うが、プロレスは非日常世界であり、中でもDDTは何が起きてもおかしくない団体。いまの大家ならひょっとしたら、ひょっとするかも……